道路ネットワーク間対応付けサービス

どんなサービスか

2つの異なる道路ネットワークの間の対応関係を自動抽出し、データとして提供するサービスです。
異なる道路ネットワークとしては、以下の2通りが考えられます。

  • 時期、版の違い:同じ製品(例えば、財団法人日本デジタル道路地図協会の道路データ)なのだが、片方は平成21年度、他方は平成22年度のデータであると云う様にデータの時期、版が異なるケース
  • 製品自体の違い:A社製とB社製の道路ネットワークと云う様に、製品自体が違うケース

この両者を比較した場合、当然後者の方の技術的難易度が高いのですが、基本となる対応付けの技術自体は、両者は共通であると捉えております。

リンク間の対応付け
図1 リンク間の対応付け

何に使えるのか

元々、このサービスを考えたきっかけは、道路ネットワークに付属する属性の移行の必要性からです。
異なる道路ネットワーク間の対応付けが出来れば、属性の移行は容易に出来ると考えております。

リンクの属性の移行
図2 リンクの属性の移行
右左折規制の移行
図3 右左折規制の移行

どうやって対応付けるのか

基本的に以下の3つの条件を考慮しつつ、対応するリンクを求めます。お互いの条件が矛盾する場合は、適宜、優先順位を仮定して、判断します。

位置形状的に近いこと

位置形状的な近さの考慮
図4 位置形状的な近さの考慮

属性的に一致すること

属性的な一致度の考慮
図5 属性的な一致度の考慮

連続性が保存されること

リンクの連続性の保存の考慮
図6 リンクの連続性の保存の考慮

技術的な課題と解決法

本サービスの実用化のための技術的課題の中のいくつかについて、課題とその解決法について整理すると以下の通りです。

属性の考慮

図5の様なケースでは、位置形状的な一致だけで、正しい対応を求めることは出来ません。よって、位置形状に加えて、リンクの属性(具体的には道路種別、路線番号)を正しい対応付けの判断材料として利用しています。

属性変更への耐性

対応元と対応先との間で、リンクの属性(具体的には道路種別、路線番号)が異なる危険性が存在します。この食い違いの理由としては、以下が考えられます。

  • 経年変化に伴う降格、昇格:現実の世の中では国道が県道に降格されたり、逆に県道が国道に昇格することが有り得る。これに伴い、特に異なる版、時期の道路ネットワークの間で、食い違いが発生し得る。
  • 作業ミス:仕様上は同一にすべきだったリンクの属性を、誤まって異なる内容にしてしまった。

この様なケースでも、正確な対応付けが行なわれる様に、属性の一致は必ずしも対応付けの必要条件としては捉えていません。

モデル化技法の違い:一条化とニ条化

図7に示す通り、道路ネットワークは、ニ条化されたり、されなかったり色々なモデル化の技法が存在します。システムの開発に当たっては、このようなモデル化の技法の違いがあっても、それを超えて対応付けられる様に方式設計しています。

リンクフローの導入

図7に示す通り、リンクの間の対応付けは、リンクをどうつなげて走行するか、グループ化するかと云う観点に応じて変わります。これは大変煩雑な問題です。リンクのつながり方が決まらないとリンク間の対応付けが正確には決まらないことを意味するからです。この問題に対して、本サービスではリンクフローと云うリンク間の繋がり関係を導入し、このリンクフローを前提として、リンク間の対応関係を求めています。こうすることで、リンクフローに応じて柔軟にリンク対応を定義することが可能になります。

リンクフローの必要性
図7 リンクフローの必要性

対応付けサービスの特徴

自動処理

対応付けは、基本的に全ての処理が自動的に行なわれます。

カスタマイズ

対応付けの結果は、複雑で詳細なデータとして整理される為、必要に応じて、この得られた基本成果を加工、カスタマイズすることが可能です。

2種類のリンク対応の考慮

前述した如く、リンクの間の対応付けは、リンクをどうつなげて走行するか、グループ化するかと云う観点に応じて変わります。ゆえに、一つのリンクに対しても、その端のノードにおけるフローに応じて、 求められるリンク対応が異なります。例えば、図8は、両端のノードでのリンクフローを極限まで考慮しないといけない可能性を示唆しています。一方では、リンク対応を算出する際に、 いちいち、この様に多様なケースを考えなければいけないとすると、それは煩雑になります。この様に考えた結果、本サービスでは入力として2通りのリンクフロー(対応元側)に備えることにしました。

標準リンクフロー

予め、システム側で標準と考えられるリンクフローを自動生成して、本システムへの入力とする。多くの場合はこの標準リンクフローだけで、要件を満たせると考えられる。

ユーザーリンクフロー

ユーザーがシステム任せにせず、自己のアプリケーションの都合に合った、リンクフローを指定する。例えば、右左折禁止交通規制を、対応するリンク列に移行したい場合、当該右左折禁止交通規制を構成するリンク列をリンクフローとして、本システムに与えれば良い。このユーザーリンクフローは厳密には以下の2種類に分れる。

  • 路線Likeな1回のみの参照:路線の様に同一種類のリンクの繋がりを任意の距離だけ続けて定義する。一般にあるリンクは1回しか登場しない。基本的に位置形状を重視した考え方である。
  • 右左折ベースの重複参照:右左折に重点をおいて定義する。同一リンクが必要に応じて、複数回参照されることが想定される。
両端のノードの周囲でのフロー
図8 両端のノードの周囲でのフロー

信頼性の指標の提供

対応付けの成果本体と一緒に、対応付けの信頼性を示すデータとして、弊社独自の指標を提供します。

成果はどのような形か

図9に示す様な詳細かつ多様な対応付けデータが、基礎データとして出力されます。本技術に基づいた対応関係データの提供法には色々あると考えているため、この基礎データは必要に応じて、色々な成果にカスタマイズして、御客様に提供する所存です。

成果のイメージ
図9 成果のイメージ

対応付けの実例

異製品間対応(製品自体の違い)

実際に対応付けを行なったいくつかの事例を以下に示します。いずれも住友電工社製DRMとADFデータを利用して、両者の間の対応関係を求めた事例です。

対応付け実例1(入り組んだジャンクション)

入り組んだジャンクション
図10 入り組んだジャンクション(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例2(2条→1条の違い)

2条→1条の違い
図11 2条→1条の違い(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例3(ループ)

ループ
図12 ループ(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例4(位置ずれ)

位置ずれ
図13 位置ずれ(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例5(対応先が無い交差点内リンク)

対応先が無い交差点内リンク
図14 対応先が無い交差点内リンク(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

同一製品間対応(時期、版の違いの違い)

実際に対応付けを行なったいくつかの事例を以下に示します。いずれも異なる時期の住友電工社製DRMを利用して、両者の間の対応関係を求めた事例です。

対応付け実例1(1条→2条)

1条→2条
図15 1条→2条(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例2(2条→1条)

2条→1条
図16 2条→1条(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例3(分割)

分割
図17 分割(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例4(統合)

統合
図18 統合(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例5(形状が違う1)

形状が違う1
図19 形状が違う1(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例6(形状が違う2)

形状が違う2
図20 形状が違う2(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF

対応付け実例7(対応先が無いリンク)

対応先が無いリンク
図21 対応先が無いリンク(クリックで拡大表示) ※道路地図の出典:住友電工DRM/ADF
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