独創性:邪馬台国GIS
 

昨年(2002年)の9月半ばに、ひょんなことから国土交通省がGISを一般家庭に広めるために、GISアプリケーションのアイディアを募集していることを弊社の社長が知りました。さあ、それから彼の頭はめまぐるしく回り始めました。賞金1000万円を目指したレースの始まりです。彼は考えます。兎に角参加するからには、或いは貴重な時間をつぶして提案書を書き上げるからには、絶対に勝ち残りたい、絶対に勝つためにはどうするか。考えた基本戦略は以下の2点です。

  1. 独創的であること。他の誰も考え付かないアイディアを出すこと。
  2. 失点をしないこと。例えば応募規約にHTMLファイル4ページ以下と言う制約があったら、忠実にそれを守ること。
要は絶対的なアイディアをベースにして、批判を招きそうな因子を全て消し去れば、勝ち残れると言うことです。 例えば、誰でも考えられる教育用GISアプリケーションとして、身近な地域の状況を調べてその成果をマッピングしよう(地図の上にシンボル表示しよう)と言うソフトが考えられます。ふたを開けたら予想通りでした。教育部門の応募作品44品の内、数え方にもよりますが、30作品がそうカテゴライズ出来ました。よってこの方面で応募すると、競争相手が多いので勝ち残る確率が限りなく0に近くなります。それは避けたかった・・・
で、結局ひらめいたのは邪馬台国をネタにしてしまえと言うアイディアです。なぜ邪馬台国か、何を目指したかについては、応募の際に国交省に提出したコンテンツを御覧下さい。
    国交省提出コンテンツ

 

さて、肝心の応募の結果ですが、念入りの戦略が功を奏してか、見事採択され、開発資金1000万円強を国交省殿から賜りました。嬉しい嬉しい、国交省殿との初の直接契約です(エンドユーザーが国交省と言うパターンは弊社も多数経験しているのですが、直接契約は始めてです)。
※邪馬台国GISアプリケーションは、国交省の「「なるほど便利!GIS道具箱」からダウンロードできましたが、平成18年3月22日をもって、ダウンロード期間を終了しました。
 

実はこの邪馬台国、始めるとキリが無いコンテンツで、開発企画者としては、今でももっと内容を豊富にしたいと考えているため、まだまだメンテナンスしたいと思っているのですが、なかなかどうしてままならず・・・
なお、先日(2003年8月22日)、「GIS Day in 関西 2003」と言うシンポジウムの中で、この邪馬台国GISを教育にどう使うかと言うテーマで弊社の社長が講演して来ました。御参考までにその時に用いたPPTファイルをPDF化したものを閲覧可能にしておきます。

    GIS Day in 関西(PDF220KB)

 

この邪馬台国GISは、本来は教育部門に応募したので、教育に使われなければいけないのですが、それには何かと制約があって。私の回りのGIS関係の方からの評判はすこぶる宜しいのですが、肝心の学校の先生からの反応が今ひとつです。まあ、極めてマニアック且つ個性的なソフトなので当然と言えば当然なのですが・・・

あー、そうそう、肝心な一番お伝えしたいことを書き忘れていました。結果的に何が言いたかったのかと申しますと、GISのネタとして、咄嗟に邪馬台国を考えつく弊社の柔軟性、独創性を評価して頂けると幸いです。

 

 

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